ほんとのほんと

一浪&三留したアラサーダメ人間が社会と自分とのギャップに半笑いで半ば諦めながら立ち向かって(?)ゆくブログ。  精神年齢は最近19歳になった。

カープ優勝 よかったねえ

先に断っておくとわたしはカープファンでもないしそもそもスポーツをほとんど見ないタイプの人間だから、書けることはあまりないのだが、25年ぶりリーグ優勝という大きな記念なので記事を一つ残しておくことにする。

 

 

こんな記事を書いてしまうくらいには、わたしにもカープに対する情みたいなものがいつの間にか育っていたのかもしれない。

広島に引っ越したのは14歳の時で、その後大学進学とともに上京しているから、「学生時代を広島で過ごした」程度の人たちと同じくらいの愛着しか持っていないと思うのだが、知らず知らずカープ愛を育てる風土が広島にはあるのかもしれない。

なんというか、「私は無宗教です」と言いながら毎年初詣に行って絵馬を買っちゃう日本人と同じような構造があるのかも。

 

だいたい、広島には「みんなカープファン」みたいな雰囲気がある。実際はカープファン以外も存在しているのだけど、カープファンでない人でもカープ嫌いって人はあんまりいないんじゃないかな……。そんな空気。テレビもラジオも新聞も、地元のものはだいたいカープで盛り上がるし、ほのぼのしたローカルCMにはカープの選手たちが出演している。今も続いているかは知らないが、ローカルのスポーツ番組まであった。番組のメインはもちろんカープサンフレッチェである。

実家に帰るたびに、スポーツ番組のみならず、CMにバラエティに情報番組にとあらゆる場面にカープの選手たちが登場していて、そのたび驚いた記憶がある。

東京で暮らし、スポーツに疎いわたしには、例えば「広島にはマエケンという全国でも指折りの投手がいるらしい」くらいの情報しか入ってこないが、広島ではマエケンはスポーツ好き・そうでない人を問わず、みんな知ってる、そしてみんな大好きな文字通りのスーパースターだった。

 

 

特にここ数年の盛り上がりははたから見ていてもすごかった。マツダスタジアムができたくらいからだろうか。ときどき、デーゲームの時間に電車に乗っていると、車窓から真っ赤に染まったマツダスタジアムのスタンドを眺めることができた。球場なんていつもガラガラで万年経営難のイメージしかなかったのに。

実家が広島ですと自己紹介すると、必ずと言っていいほど「やっぱカープ女子なの?」と言われるようになったのもここ数年である。

 

県内出身の両親ももちろんカープを応援していたが、その応援の仕方が顕著になったのもやはりここ数年。特に、ミーハーな母の行動は、世間の流行をそのまま反映していて、これまで数えるほどしか球場での野球観戦などしてこなかったのに、2,3年前から急にスタジアムに足を運ぶようになった。

「全部の応援歌を覚えるのはおばさんにとってはほんま大変なんじゃけどね、頑張って覚えよるんよ」などと喜々として語りながら。

今シーズン開幕当初には

「誰か友達誘おう思ってチケット4回分買ったのにね、……どうもお父さんが全部一緒に行くつもりでおるみたいなんよぉ」

とうっとうしそうに愚痴をこぼしていたものの、なんだかんだで夫婦仲良くカープグッズを身に着け観戦に行っていた。そしてそのたびにツーショットをLINEで娘たちに送りつけてきていた。ちなみに、LINEでよく使われるスタンプも、黒田博樹の男気溢れるやつと、カープ女子をモチーフにしたものである。やれやれ。

 

優勝のかかった9月8日の試合もぬかりなくマツダスタジアムへ行き、10日の試合は夫婦でスポーツバーで観戦したという。そして優勝が決まると街へ出て振る舞い酒を飲み、知らない人たちとハイタッチをして深夜まで騒いだそうだ。

 

ちょうど同時刻に妹も広島市内の繁華街にいたようで、街の人たちがはしゃぎまわる様子を動画にとって送ってくれた。ワールドカップの時の渋谷のスクランブル交差点さながらである。でも渋谷と違って、老若男女が喜びを分かち合っていた。「街の人みんな」という感じがした。本当に、「地域のお祭り」のような、日本人皆がお正月に地元の神社に初もうでに行くような、それくらいのレベルでカープは広島に根付いていた。しかも、県内全域にわたって。

 

これ以上ないくらいの彼らの笑顔を動画で眺めながら、どの土地に住んでいても輪の中に完全には入れない“お客さん気質”なわたしは、「自分はあの一員にはなれないんだな」と思いつつも、それでもお客さんなりに純粋に嬉しく、ほほえましい気持ちになった。

あのまちの人たちは素敵だ。あのチームも素敵だ。みんな本当に、よかったね、と。