ほんとのほんと

一浪&三留したアラサーダメ人間が社会と自分とのギャップに半笑いで半ば諦めながら立ち向かって(?)ゆくブログ。  精神年齢は最近19歳になった。

尾道一人歩き。(2) ~ゲストハウスでの出会い、再生中みはらし亭、展望台からの眺め~

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今回の内容

 

ゲストハウスで出会ったサイレント映画ピアニスト

ゲストハウス「あなごのねどこ」併設カフェの朝食の時間が8時だと言うので、サロンスペースのこたつに入ってその時間を待っていると、40,50代くらいの女性ににこにこと話しかけられた。

同じ女子部屋に泊まっていて、昨日も向こうから挨拶してくれた。社交的な感じの方だ。

 

ここのゲストハウスの系列の宿になる「みはらし亭」というところを、いま山手のほうで改築中らしいよ、へえ、それは気になりますね、なんて世間話をしつつ、旅行?と訊かれたのでそうだと答え、そちらは?と訊ねると、

「仕事で」

という。

 

酔狂な大人もいるものだ。仕事で来て、プライベートな空間を確保できないゲストハウスなんかに泊まるなんて。

そう言えば熊本のゲストハウスに泊まった時もそんな大人がいた。学会のために熊本に来ていた数学の教授がなぜか同じその宿に泊まっていて、そしてたまたま日本旅行に来ていた台湾人学生なんかも交えて一緒に酒を飲んだ思い出。

 

きっとこの女性も普通のOLとかではないのだろうなと「どういう仕事で?」尋ねると、

「ピアニストなの」

という。

 

ピアニスト!

 

「職業:ピアニスト」と言う人を生で初めて見た。すごい。なんか「職業:ピアニスト」って、それだけで感動してしまう。

 

尾道の映画館でサイレント映画をピアノの生伴奏つきで上映するのね」

といってパンフレットを見せてくれる。たしかに今週の上映スケジュールの15:35のところに、「日曜日の人々 ピアノ生伴奏上映」と書かれている。80年以上前のドイツ映画のようだ。

 

サイレント映画

わたしは普段邦画しか見ないが、それでも大学時代は映画制作サークル員の端くれとして、古い海外の映画もいくつかは見ていた。でもそう言えばサイレント映画を劇場で見たことはこれまでない。しかも生伴奏なんて、もっとない。

きっと何かの運命だ。これは見に行くしかないだろう。

帰りの電車もぎりぎり間に合う。

 

わたしは力強く「行きます」と宣言した。

 

 

空き家再生プロジェクトにぶつかる

さて、朝ご飯を終えて宿を出ようとしていると、先ほどの女性がまだこたつに。

またあとでーと手をふろうとすると、「あっ、今出て行った人たちもみはらし亭行くんだって! 連れてってもらいなよ!」と突然言う。

なにがなんだかよくわからないが、今しがた宿を出て行ったばかりの二人の男性を引き留めて紹介してもらい、そこについていくことになった。

 

とりあえず歩きながら話を聞くと、一人は、以前建築関係の仕事をしていたという30,40代くらいの方。ゲストハウスを始めたいという友人がおり、そのヒントにならないかとここへ来たらしい。

もう一人は修士1年の学生さん。彼は1週間前からその「みはらし亭」の改築をボランティアで手伝っているという。なんでも、空き家再生プロジェクトにかかわる人たちがどういう思いでそれをやっているのか、というのを修士論文の題材にしたいのだそう。

社会学かなにかを専攻しているのかな?

 

みんなそれぞれ色んな目的があってここへきてるのだなあ。

 

などと、しみじみ……してる場合じゃないくらいの階段(わかるだろうか、ずっと高いところまで階段が続いているのだが)を

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息切れしながら登って登って、あ、見えてきた、

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確かに改築中の古い建物があった。

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その中から空き家再生プロジェクトの建築士の男性が現れ、その方の案内で中を見せていただけることになった。

 

写真を撮っていなかったのでここでお見せできないのが残念だが、「みはらし亭」という名に相応しく、建物内部からは尾道の町並みと、海、その向こうの島が一望できる素晴らしい立地。海側の壁は取り払われ、そこを一面窓にして絶景を全部楽しめるようにするという。

ここで寝起きできたらどんなに幸せだろう。

 

もともとは大正時代に別荘として建てられた物件で、その後は旅館としても使われ、国の文化財にも登録された立派な建物だが、車も入らないし家主も高齢になりここ20年ほどは空き家になっていたそう。

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写真は建物を上から見下ろしたもの。写真下側中央の建物がみはらし亭。中からだと海がより近くに見える。

 

今回の物件は、このNPO事業の中で文字通り事業費も桁違いな最も大がかりなものだという。

これまではDIYでやってきたものが多かったが、プロの大工さんを呼び、あらゆるところから補助金を引っぱってきて、ボランティアにも手伝ってもらって、ようやく、完成間近と言うことだった。

 

聞くと、この「NPO 空き家再生プロジェクト」の収入源はほぼゲストハウス「あなごのねどこ」に頼りきりなのだそう。

ちょっと驚きだ。

いくらゲストハウスがにぎわったって、一泊2,800円の宿なのだ。スタッフ数人の生活は支えられても、文化財の再生を展開できるほどのものじゃないように思えるが。

きっと手弁当でやってる人も多いのだろう。

どういう思いでみんなやっているんだろう。

 

そりゃ論文書きたくもなるなあと納得。

 論文が完成したら読みたいな。

 

さて、この立地だと坂の上り下りが大変だが、尾道ライフを120%味わい尽くそうと思うならこの場所がベストだ。4月にオープン予定らしいので、次回来たときはきっとここに泊まろうと心に決める。

 

 

しかし不思議なものだ。

わたしは、ただ旅行に来ていただけのはずなのに。

 

しかもわたしはその建築士の方に以前1度お会いしたことがあるのだ。

わたしが今住んでいる町のまちおこしイベントみたいなものに、この男性がゲストとして来てくれたことがあるのだ。わたしはそのイベントでお茶出しや案内係のボランティアとして参加していたのだが、「尾道大好きなんですー」と主張していたら、主催者が控室に入れてくれたのである。

 

めっちゃイケメンだったのでお顔もよく覚えている。

縁とは不思議なものだ。

 

そのイケメンの彼に、「火曜と水曜は定休日のとこが多くて尾道が一番面白くない曜日なんだよな」と笑われながら、いくつか他の物件を教えてもらった。

 

今日のわたしの予定は尾道のカフェめぐりだったはずだが、その瞬間に面白物件めぐりをすることに書き換わってしまったらしい。

まあいいや。見つけたものは全部拾いながら進もう。

 

地図をもらい、ここまで連れてきてくれた男性たちにも別れを告げ、とりあえずてっぺんの展望台を目指すことにした。

 

 

展望台からの眺め

尾道に来たらとりあえず展望台からの眺めは見なくてはならない。

「島のある風景好き」としては外すわけにはいかぬゆえ。

 

途中、出現した鎖を登る修行?に挑戦し

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(スカートにロングコートという出で立ちでアラサー女が一人で何やってるんだというツッコミは甘んじて受け入れよう。頭上をロープウェイが通り過ぎていったとき自分でも思ったさ……)

 

 

千光寺そのものは何度か来ているので今回はスルーしてその上の展望台に到着、と思ったら出現した「恋人の聖地」のモニュメント。

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恋人たちの名前が記された鍵がたくさんぶら下がっている。

くそう。どいつもこいつも浮かれやがって。どうせこっちはいつだって独り旅だよっ。

数年前まではこんなものなかったのに。

とかいって、もし恋人とくる機会があったらわたしも嬉々として鍵をかけたのだろうけれど……。

 

 

そいつを通り過ぎるとようやく展望台だ。そしてそこからの眺めは

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最高だ。

尾道水道、向島、その向こうにも、その向こうにも、島が続いている。

 

萌え。

この気持ちはそう、「萌え」にちがいない。

 

島のある風景はなぜこうも落ち着くのだろう。

癒されると同時に、胸が締め付けられるような切なさを感じるのだろう。

 

 

ああ、やっぱり、ここからの眺めが一番好き。日本で一番好き。

 

 

 

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今週のお題「好きな街」